簿記3級に1時間で合格したときの話
宅建は年に1回しか試験が行われないけど、簿記は毎週テストセンターで複数回受験できるから「思い立ったらすぐ」に行動に移せる。予約して、渋谷駅からほど近い雑居ビルの中にあるテストセンターで受けたのは昨年の秋だった。1時間、パソコンに映し出される設問を解いていき、終了の瞬間に合否が画面に映し出されるから余韻も何も無いが、1ヶ月待たされる宅建の合格通知より試験としては合理的だと思う。宅建試験はマークシートなのになぜ紙と鉛筆なのか? たぶん、慣性の法則だからでしょうね、制度というか在り方が。もはや風物詩とかセレモニーみたいな。だからあんなに盛り上がるわけで。
なんでいまになってふだんの仕事で特に必須でもない簿記3級を受けたのかといえば、それはひとりの青年との遭遇だった。彼は会計事務所で働いている人だった。
仕事関係でも友人つながりでもない人なので、フラットに彼の身の上ばなしをきいていただけだったが、彼の向上心や人生との向き合う姿勢に感心した。もはや停滞と惰性で日々を過ごしている自分は数年に一度くらい世代が下の人をお手本にする。もういちど、あの頃の自分になれたと錯覚できるから。
その青年は必ずしもお膳立てされたコースの人ではなかった。しかし人生を受けとめている。満足はしていないが、悲観や人生の放棄をしたりしてない。
半ば諦めて投げやりに暮らしてS&P500頼みで今を生きている自分は、やや反省し、そして感化されるに至った。
20代というのはなんて眩しいんだろう、と思う。特に20代後半の、ただ若いだけではなく、何かを諦め、何かを悟り、でもまだまだ楽観的に前を向いていられる世界に立っている姿は。
