今週のお題「試験の思い出」
* * *
「この前、試験の合格通知が届いた」
「よかったね」
「よかった。まあ、よかったとは思う」
「喜べば?」
「だよね」
「だよね?」
「正解のある問題なわけですよ、試験というのは」
「だろうね」
「限りある人生の時間をその対策に費やしたということを思うとねぇ」
「え?」
「考えちゃだめじゃない? 資格試験て。想像力とか感情とか自由なイメージは横においておく。そしてただ右にあるものを左に移すことみたいな作業。それが試験対策だった気がする。で、それが得意なわけでもないのに時間を使ってしまったのかぁ、という感じ」
「じゃあ受けなければよかった?」
「とはいえ、それすらしないで過ごしていたら、去年はいよいよ何もしてない人になっていたからよかったのかもしれずです」