炎天下

今週のお題「暑すぎる」

 

 

 

 

今日も暑いなぁ。村人が言った。

 

炎天下。風がない。

 

 

村人の顎から垂れた汗が、地面に落ちた。

 

そのわきを一匹の蟻が通り過ぎていく。

 

 

 

 

 

 

遠くに、一筋の煙があがっていた。何か燃えているのかな?と村人は思った。

 

 

 

暑いなぁ。

 

村人は立ちどまり、汗を拭った。

 

 



 

 

 

 

「そんなこと前からわかっていたことだろう」と声がした。

 

村人は振り返る。誰だろう?

 

「それでもお前はそこに留まったのではないのか?」

 

辺りに人はいない。




 

 

村人は言った。そうです、もちろん。わかっていたことでした。

 

 

「ならば、」と声がした。「何も言うことはないが」

 



空を見上げる。眩しくて目を細めた。


 

太陽はわたしのことを気にして燃えたりはしない。村人は言った。わたしがいることすら太陽は知らないでしょう。

 

 

 

 

声は消えた。

 

 

 

 

空耳だ。気にすることはない。村人は再び歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

ブラジルのスーパーが謝罪、店内に販売員の遺体放置し営業続行 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 

 

 

 

 

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