「今日の過ごし方」

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと

 

 

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目覚めたばかりの人間が辺りを見回したとして、何がわかるだろうか。

 

そこに何もなければ寝ている間に何が起こっていたかを知るよしもないだろう。仕方のないことだ。その人間が眠りの中で平和に包まれていたということでもあるのだからむしろよかったといっても差し支えないかもしれない。

 

私達はあらゆる物事を把握して生きることに人生を費やしているのではなく、たまたま目にした瞬間的な場面を題材にして世界を素描しながら人生を終える。それがひとりひとり別々の人生を生きていることでもあり、ならばせめてそれを尊重しましょうという掛け声がある時代からあちこちで(それぞれの本気度は不明だが)言い放たれているように思う。

 

 うどんを茹でながら、スマホで適当なポップミュージックを流し、休日の昼間に部屋で過ごす。ふと、何かの資料集で目にしたことがあるページ(強い光線で焼かれた瞬間に影だけを壁に残して消えてしまったのだという)を思ってしまう。「たしか、ここにいたはずなのに」ということを他人があとから確かめることができるようなできないような、でも、じゃあ、それが誰だったのかどうやって特定するんだろう、と。うどんを食べ終わって窓を開けると空はどんよりと曇っていた。ベランダの洗濯物に触れるとまだ乾いていないことがわかった。

 

 午後は特にすることもないから何度も読んだ本をまた開くかYouTubeでも観てるか。

 

 

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 10年前と何が違うのかという問いかけるまでもなくほとんど同一だろうと答えるしかない気がしている。相変わらず「さざんがじゅう」みたいなことを無邪気に言ってきたりする人に囲まれている。いいえ、それは9です、と頑張って答えるようにはしている。

 

 

 

 

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